2014年3月24日月曜日

第29回例会 - 3月24日(月)

日時
2014年03月24日(月曜日)15:00-18:00
※いつもと曜日・開始時刻が違いますので注意!


場所
東京大学駒場キャンパス18号館2階ラウンジ
※いつもと場所が違いますので注意!


発表1

発表者
青田庄真(東京大学大学院教育学研究科)
山田雄司(東京大学大学院教育学研究科

発表タイトル
戦後日本における英語教育関連議論:国会会議録の計量テキスト分析を中心に

要旨
本研究では、戦後日本における英語教育関連議論の変遷を、国会会議録を対象に、主に計量テキスト分析の観点から明らかにした。研究の結果、国会における英語教育関連発言を含む会議(以下、英語教育関連会議)の数は増減を繰り返しながら年々増加傾向にあること、ほとんどの年代において頻出する語があること、一方でそれぞれの急増年には特徴的な論点が含まれることがわかった。また、1980年代初頭を境に英語教育関連会議数が増えると同時に、その増減の幅も増大したことなどから、戦後英語教育関連議論における時代区分を試みた。



発表2

発表者
寺沢拓敬(国立音楽大学)

発表タイトル
外国人の権利に対する「日本人」の世論 ――母語教育に対する態度の計量分析

要旨
 言語政策・社会言語学では、外国人の言語保障が重要なテーマとなっている。とりわけ、学校教育現場では、日本語指導が必要な児童生徒への対応が切実な問題となっている。もちろん各自治体は様々な学習支援・言語支援に取り組んでいるが、必ずしも十分な対応ができているとは言い難いのが現状である。この背後には、現地語つまり日本語による学習を優先し、母語による学習を軽視する、日本・日本人側の同化主義的イデオロギーの介在が指摘されている。
 こうした問題意識から、上述の同化主義的イデオロギーの構成要素を「日本の国際化と市民の政治参加に関する世論調査」(2009年)を2次分析することで検討する。具体的には同調査に含まれる、「外国人のための母語教育」に対する態度に注目し、外国人の権利に対する日本社会の世論の特徴を明らかにすることで、外国人児童・生徒の言語保障の障害となっている要因は何か検討する。



発表3

発表者
五十嵐美加 (慶應義塾大学大学院社会学研究科)

発表タイトル
Metalinguistic Ability, Motivation and Learning Strategies in Foreign Language Learning

要旨
 本研究は、母語を対象としたメタ言語能力と外国語習熟度との関係性を、動機づけや学習方略を含めた複合的な視点で捉え直すことを目的としている。調査の結果、母語を対象としたメタ言語能力は外国語のパフォーマンスを予測するとともに、動機づけ要因や学習方略の使用とも関連性があるということが明らかになった。



話題提供1

話題提供者
嶋内 佐絵(横浜市立大学(非))

タイトル
学位論文を一般書として出版するには

要旨
 言語に関連するテーマを教育学的もしくは社会学的に論じた学術論文を一般書(もしくはより多くの人に読んでもらえる学術書)として出版するには、どのような調整が必要なのか?言語と教育に関連するテーマで書かれた現在の一般書市場を概観し、現在カバーされているテーマ、カバーされていないテーマを整理し、既に博士論文を一般書として出版したメンバーの経験なども踏まえつつ、タイトルや構成などの工夫、想定読者、出版社等について議論する。